ティム デ パラヴィチーニ(EAR社)


「オーディオ装置は独自の音を持ってはいけない。」

 

音楽好きで機械好き「ティム・デ・パラヴィチーニ」の好奇心と探究心が、半世紀以上を 費やして未だ追い続けるテーマです。 

 

「入ってきた音を、そのまま出してあげるだけ。」

この一見簡単そうに聞こえる言葉は、パラヴィチーニが研究開発に費やした膨大な時間と、妥協を許さず理想へ挑戦し続けてきた自信に支えられているのです。

そしてそれは同時に今日のオーディオや音楽業界での評価を築く礎となりました。

時として「鬼才」「天才」などと形容されることもありますが、その実は人知れず努力と試行錯誤を積み重ねた「苦労人」であることは、あまり語られることはありません。

 

パラヴィチーニ独自のロジックに基づいて生み出された数々のオーディオ装置類は、どのモデルも明確な目的を持ったアーティスティックな作品としてロングセラーとなり、世界中のオーディオ愛好家やスタジオのプロエンジニア、そしてミュージシャン達からも長く愛用されています。

凛としながらも英国クラフトマンシップの温もりを感じさせる佇まい、真空管ならではの甘さに頼らない上品な優しさと、繊細な美しさ、そして空気が澄み渡って行くような深い奥行きのある音の舞がパラヴィチーニ作品の真骨頂と言えるでしょう。 

 

時代は加速度的にデジタル化が進んでいます。パラヴィチーニはそんな急速なデジタル至上主義に警鐘を鳴らしながらも、留まることを知らない音への挑戦はデジタル領域へも拡がりつつあります。

しかしいくらデジタルと言えど、その根底には、あくまでもアナログの持つ「感性」と「音楽性」に拘った音の再現がテーマとなっています。 

真空管に対する深い造詣、それにマッチングするための独自のトランス造り、パラメーターの数値からではなく、耳に届く音を頼りに回路を導き出す。

全ての数値が突出しているだけでは「いい音」は作れても「心地いい音」は描けません。

その極めた者でなければ分からない音の「バランス感覚」をパラヴィチーニは大切にして、音と音楽の「スイートスポット」を探るのです。

 

この世に音楽がある限りパラヴィチーニの旅に終わりは無いようです。

 

Biography

1945 英国人両親のもとアフリカ・ナイジェリアで生まれる。

1965 英国にてロックバンド用機材のカスタムデザイン、スタジオ機器のモディファイに着手。

1967 南アフリカにてアンプ/トランス製造工場を設立。

1972 日本のLux社へオーディオデザイナーとしてヘッドハンティングされる。C1000/M6000 プリ/パワーアンプをデザイン。3045 tube mono block 等をデザイン。

1976 英国に戻り、ALBAラジオステーション、Tangentスピーカーのデザインコンサルタントを務める。Michealson & Austin tube amplifier にてTVA10、M200 mono blocks製作に従事。

1978 Esoteric Audio Research (EAR社)設立。

1979 EAR 509 100w professional tube mono block power amplifier 発表。

1985 新型レコードカッティングシステムを発表。

1993 米国グラミー賞にてBest World Music Album 受賞作品 Ry Cooder & V.M.  Bhatt "A Meeting By The River"  Technical Contributionに選出される。

1994 ベストセラーEAR 859、834P発表

1996 米国グラミー賞にてBest World Music Album ノミネート作品  Bela Fleck, V.M. Bhatt & Jie-Bing Chen "Tabula Rasa"  Mastering Engineerに選出される。

2002 米国:モービル・フィデリティー社にGAIN2(Greater Ambient Information  Network)マスタリングエレクトロニクスを導入。

2012 世界最大のオーディオソサエティー「The Los Angeles and Orange County  Audio Society」の最高栄誉賞に選出される。

その他、数々のアナログ作成、マスタリング、コンサルティング、EAR製品デザインを手がけ今日に至る。

  • クライアントリスト
  • Mobile Fidelity(米:モービル・フィデリティー)
  • Water Lily Acoustics(米:ウォーターリリー・アコースティックス)
  • Chesky Records(米:チェスキー・レコード)
  • Island Records(英:アイランド・レコード)             
  • Green Room Production / Tony Faulkner(英:トニー・ファルクナー)
  • Musical Fidelity(英:ミュージカル・フィデリティー)
  • QUAD(英:クォード)    
  • Alchemist(英:アルケミスト)   
  • Luxman(日:ラックスマン)
  • Dunlop(ダンロップ)
  • Heybrook(英:ヘイブローク)
  • Paul Epworth(英:ポール・エプワース)
  • Bob Ludwig(米:ボブ・ラディック)
  • Doug Sax(米:ダグ・サックス)
  • James Guthrie(英:ジェームス・ガスリー)
  • Joe Gastwirt(ジョー・ガストワート)
  • Michael Brauer(マイケル・ブラウアー)
  • Paul Stubblebine(米:ポール・スタブルバイン)
  • Andy Jackson(アンディ・ジャクソン)
  • Jim Keltner(米:ジム・ケルトナー)
  • Pink Floyd(英:ピンク・フロイド)
  • David Gilmour (英:ディヴィッド・ギルモア)
  • Paul McCartney(英:ポール・マッカートニー)
  • Ringo Star(英:リンゴ・スター)      
  • Kate Bush(英:ケイト・ブッシュ)
  • Cassandra Wilson(米:カサンドラ・ウィルソン)
  • Ry Cooder(米:ライ・クーダー)
  • Aerosmith(米:エアロスミス)
  • Lenny Kravitz(米:レニー・クラヴィッツ)
  • Bob Marley(ボブ・マーリー)
  • Edwyn Collins(英:エドウィン・コリンズ)
  • Frankie Goes to Hollywood(英:フランキーゴーズ・トゥ・ハリウッド)
  • Jon Hassell(英:ジョー・ハッセル)
  • Hamza Ei Din(印:ハマザ・エイ・ディン)
  • Astoria Studio(英:アストリアスタジオ)
  • Toe rag Studio(英:トーラグスタジオ)
  • West Heath Studio(ウェストヘルススタジオ)
  • Yoshiko Katayama(日:片山 敬子)
  • Reference Recordings (米:リファレンス レコーディングス)
  • Kemper music(独:ケンパーミュージック)
  • The Exchange(英:エクスチェンジ)
  • Classic Records(米:クラシック・レコード)
  • Gary Barlow(英:ゲイリーバーロー)
  • Altarus Record by Chris Rice(英:クリスライス)
  • Dan Schwarts
  •   その他多くのアーティストやエンジニア

アナログ音楽再生芸術に人生を捧げる「King of Analog」と呼ばれる生ける伝説、

「ティム・デ・パラヴィチーニ」。

その男が目指す音、それは...

”アナログ・マスター・サウンド”。

 

「アナログレコード音楽は、いまだ完成されたアートではない」。

                         ............ by Tim de Paravicini

 

アナログ・レコードを造る時の音響装置、そしてアナログ・レコードの音楽を再生する時の音響装置、まさに音楽の入口から出口に至るまでの音響デバイスを1人で創造する事ができるスペシャルエンジニア「ティム・デ・パラヴィチーニ」。

 

ポール・マッカートニー、リンゴ・スターといったビートルズのメンバーや、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアやジェームス・ガスリー(グラミー受賞プロデューサー)、またケイト・ブッシュ、ジム・ケルトナー、ゲイリー・バーロウ(Take That)等、ミュージシャンのスタジオへの機材提供を始め、クィーン、ジミ・ヘンドリクス、レッド・ツェッペリン、ローリングストーンズ、ザ・フー、ブルース・スプリングスティーン、ZZ トップ等、超ビッグネームのマスタリングを行う世界屈指のエンジニア;「ボブ・ラドウィック」が主催する「ゲートウェイ・マスタリング・スタジオ」(マスタリングを担当したダフト・パンクくの大ヒットアルバム「ランダム・アクセス・メモリーズ」は、2014年の第56回グラミー賞で「ベスト・エンジニア・アルバム」を受賞)、さらには高音質レーベルとして、その限定リリースされたアナログ盤には常にプレミア価格が付くマニア垂涎の「モービル・フィデリティー」等々、音に対して凄まじくシビアなプロフェッショナルスタジオにパラヴィチーニ(EAR)の様々な音響機器が導入されています。

 

その世界のトッププロ達が、こぞってパラヴィチーニ(EAR)の機材を使う理由はただ1つ、「音が心地いいから」。

 

英国で育ったパラヴィチーニは幼少の時から目の前に時計やラジオがあれば決まってバラバラにしてしまうので、「彼の前に機械を置くな」と言われるほどメカ好きでした。

ある怪我で病院に入院した時にも、退屈を持て余したパラヴィチーニが病院内の調子の悪いラジオやテレビを全て直してしまったという逸話が残っているほどです。

 

10代後半にロックンロールバンドに夢中になりドラムスを担当する傍らで、PAやスタジオ機材のリペア/ カスタマイズを手掛けるようになっていきます。そして20 代前半には南アフリカに自身のアンプ/ トランス製造工場を設立。

ここでの活躍が評判となり、当時日本からやってきたLUX 社がパラヴィチーニをオーディオデザイナーとしてヘッドハンティングして日本へ連れてきます。

その後、約4 年間日本でアンプデザイナーとして腕をふるい、後に銘機と呼ばれるLUX 社の50周年記念モデルのアンプ開発等を手掛けています。

 

英国に戻ったパラヴィチーニは、1978 年にいよいよ自らのブランド「EAR 社(Esoteric AudioReserch)」を始動させ、自らが理想とする音響装置造りに乗り出します。

80 年代にはアナログ・レコードに溝を刻んでゆくための装置である新型のレコードカッティングシステムをデザインし、ミュージシャン達が音楽を記録したマスターテープに近い鮮烈なサウンドのアナログ・レコードが作れると評判になります。

 

1993 年にはパラヴィチーニ(EAR)のオーディオ装置を駆使してレコーディングされたスライド・ギターの名手「ライ・クーダー」のアルバム「A Meeting by the River」が、グラミー賞のベストワールドミュージック賞を受賞し、パラヴィチーニ自身も「技術貢献者/Technical Contribution」として表彰されています。

1996 年にも「ベラ・フレック」のアルバムでグラミー賞にノミネートされています。

 

2002 年には、オーディオドリームチームのメンバーとして、高音質レーベルで有名なサンフランシスコにある「モービル・フィデリティー」に招かれ、チーフオーディオデザイナーとして現在考えうる最高グレードのアナログシステムをデザインし機材を導入しています。

ハーフスピードマスタリングと呼ばれる技巧を駆使して造られたここでのアナログ・レコードの再生音は、まさにマスターテープクオリティーとも言うべき高音質で、音楽の持つ躍動感や生命感、そして楽器や歌声のナチュラル極まりない響きは、現在リリースされる音源としては世界屈指のクオリティーを誇ります。

 

一方、プロスタジオのハイクオリティー機器の技術をフィードバックしたホームユース用の再生装置の設計、デザインも妥協なく同時に進められて来ました。特にアナログ・レコードによる音楽再生においては、最高の音質、音色、そしてエネルギーが奏でられるようにチューニングされてます。

また、プロ機器、及びホーム機器同様にパラヴィチーニが目指す音を得るために、好んでアナログ素子である「真空管」を装置に多用する所もパラヴィチーニ(EAR)のアイデンティティーとなっています。このためパラヴィチーニは「King of Tube」の別名を持ちます。

 

 

 

音楽が人々に大きな影響力を持っていたと言われる1960 年代から1980 年代後半にかけてとアナログ・レコードの繁栄期とは時期的に重なります。これは単なる偶然でしょうか?

 

パラヴィチーニは言います。「当時のミュージシャンやエンジニアやレコード会社の連中はとにかくクオリティーに拘った。皆が誰も今までに聴いたこともない音楽や音が出るレコードを作ってやるぞと競い合った。その想いが詰まった、まるで昨日に録音されたばかりのようなマスターテープの圧倒的な音を聴くと、中途半端な仕事など私には絶対にできない。私のやるべき仕事は、彼らの目指した音楽をそのままリスナーに届けることだ。そしてそれを最も近い形で表現できるのがアナログだ。」

 

つまり「心地いい音」とは、「”マスターサウンド”に近づくこと」と、パラヴィチーニ / EAR は考えます。なぜなら、その音こそがミュージシャンやエンジニア達が試行錯誤の末に到達した音楽の完成形だからです。

 

アナログ=手数(プロセス)の多さ=感性の刺激=豊かな感受性と想像力の育成

 

クオリティーにこだわった音楽の創り手/送り手側、それに応えるように聴く耳を持ったリスナー/受け手側。お互いの期待と感動がシンクロしていたアナログレコード時代の音楽界の繁栄は、このような要因に支えられていたのではないでしょうか。

 

音楽の主流がCD や他のデジタルメディアに移行して行った90年代以降もパラヴィチーニのアナログレコードによる音楽再生芸術探求は絶え間なく続けられてきました。

妥協すること無くアナログのクオリティーにこだわり続けたその匠の技は、今、アナログ・レコード需要の再燃と共に新たな脚光を浴びています。

 

レコードをパラヴィチーニ(EAR)の装置で聴いてみて下さい。

そこには理屈抜きに音楽から感動できる何かがあることを体感して頂けると確信致します。



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