オーディオフェスタインナゴヤ

先日行われたオーディオフェスタインナゴヤでは、ご来場いただきましたお客様ありがとうございました。

 

今回パラヴィチーニによる日本語での単独講演では、彼がこれまで関わってきたシステムから製作されたレコード、もしくはパラヴィチーニ自らカッティングしたレコード、関係者から譲り受けたアウトテイク、そして彼の趣味でもあるアナログテープを中心に演奏されました。

 

まずは先日の投稿でご紹介した〝Kitty Daisy and Lewis “の最新アルバム〝Superscope”からの演奏。彼らはフジロックにも出演し、日本でも単独ツアーもこなす若手実力派ロックバンドです。遊び心溢れるどこかノスタルジック溢れる演奏と、アナログ独特の厚みのあるシンプルかつダイナミックな音色は、やはりEARのアンプともとても相性が良く聴いていてとても心地よいサウンドでした。このアルバムもまたパラヴィチーニのシステムを使用したExchange Studioでカッティングされています。 

 

昨年のインターナショナルオーディオショーで初披露したFalcon Acoustics のLS3/5aの

製品紹介も行いました。パラヴィチーニは、もともと当時のオリジナルの15ΩのLS3/5aを使用していましたので、初期の15Ωの音色を忠実に再現したFalcon AcousticsのLS3/5aをヨシノトレーディングで導入することを決めました。アッセンブリーだけではなく、チョークトランス、マグネット部分の多くのパーツもまたイギリス国内で生産しています。

 

15Ωのオリジナルと11Ωタイプを両方使っているお客様の話では、15Ωは真空管アンプにはとても相性が良いしより中低音の膨らみが豊かだ、CDの登場とともに11Ωに切り替わったのかな?と言っていたのが印象的でした。

 

続いての曲は、Frank Sinatra のSwingin Sessionから。

米モービル・フィデリティ(Mobile Fidelity)社が「ULTRADISK ONE-STEP」と名付ける、高音質盤のシリーズは、今では事前予約でほぼ完売となってしまうお宝のアルバムです。

 

これまでのスリー・ステップ・プロセスから、生産過程でよりノイズを抑え、より音の詳細を再現、ダイナミクスを向上するワン・ステップ・ラッカー・プロセスでは、一枚のスタンパーから1000枚程しかレコードが作られないため、数量的にも貴重になります。

今ではebayで3倍以上の一枚500ドル以上に高騰している盤もあるようです。

 

パラヴィチーニは、モービル・フィデリティのカッティングシステムGain 2 音の産みの親でもあるので前々からワンステップ仕様のアルバムを出すことを強く勧めていたようで、昨今の賑わいにとても満足しているようです。

 

昨年のクリスマスプレゼントということで、「ナイトフライ」をもらったそうですが封を開けずに家に大切に保管しているようで、今回は演奏が披露されることはありませんでしたが、数年前にパラヴィチーニ自らカッティングしたフランクシナトラのラッカー盤の演奏も披露してくれました。ラッカー盤こそ、マスターテープから直に溝を刻んでいますので、ワンステップスタンパーよりもさらに貴重な音源です。

 

シナトラの歌声はいつなんど聴いても心揺さぶられますね。

 

エルビスのアウトテイク曲は、Fever。テイクが増すごとにエルビスの気持ちが入っていく様子が伝わってくるとあるお客様はおっしゃっていました。

 

これ以外にも、テープによる20代の頃の熱気あふれるナベサダの演奏、フランクシナトラの演奏。

 

また、イギリスモノということで2016年クリスマスの翌日に亡くなってしまったジョージマイケルのケアレスウィスパーも。文字通りラストクリスマスの悲しい結末ですが、彼の美声もまた何十年も先まで受け継がれていくことでしょう。夫婦でいらした奥様の話では、私の年代だとやはり80年代の洋楽は好きですと。80年台の音楽もゴージャスでロマンティックなのでいいですね。

 

お客様みなさん音楽を静かに聴いているようですが、実は脳内はかなり刺激を受けて興奮しているのですね。