パラヴィチーニのプロスタジオにおけるハイスペックなオーディオ機器のクオリティーをフィードバックしたパワーアンプ「EAR 534」の出力管をパワフルな「KT90」にし、パラレルシングルエンドプッシュプルによりクラスA出力段で70W(ステレオ)、モノラルで140Wの出力を誇る「EAR 890」。同じくKT90を搭載するインテグレーテッドアンプの姉妹機「EAR 899」のパワーアンプバージョンです。
出力管「KT90」の持つ優れた特性をストレス無く発揮させるために、「EAR 890/899」にはパラヴィチーニのスペシャルワインディングによるオリジナルの電源トランスと出力トランスが採用されています。パラヴィチーニは彼の経歴の初期の段階よりアンプデザインにおけるトランスの重要性を説いていました。
「アンプの基本性能は真空管ではなく、トランスが決める。」
パラヴィチーニのプロ機器にも、ホーム用機器においても、また昨今意欲的に製品開発が行われているデジタル機器にさえおいてもパラヴィチーニ独自のスペシャルトランスがカップリングされています。実はパラヴィチーニサウンドの源は、真空管以上にトランスフォーマーがその多くの役割を担っているといっても過言ではありません。
トランスを構成する銅線の種類、ゲージの太さ、巻数、重ね方、巻く強さによっても音の出方は変わってきます。このスペシャルワインディングのノウハウは一朝一夕に創造されるものではなく、プロの現場からの千差万別とも言える多種多様な音の要求に応えるために、膨大な研究時間を費やして試行錯誤の末に得られたパラヴィチーニ独自の匠の技法なのです。
「EAR 890/899」 には、このサーキットとKT90のマッチングを考慮したスペシャルワインディングが施された出力トランスと電源トランスが装備されています。
ワイドバンドでリニアリティーが高く、また大容量の電源トランスにより十分なスピードを確保し、高い解像度を誇ります。
クラスA級モノラルで140Wを誇る出力は、大型スピーカーをも情緒豊かに鳴らし切ります。音圧感の高い圧倒的な音楽エネルギーが束になって聴く者を包み込み、音楽の胎動を感じるような温もりに心地よさを覚えることでしょう。
また、KT90によるシリーズ中トップレベルとも言えるファットかつ悩ましげな色気を放つミッドレンジと伸びやかなボトムエンドの懐の広さと深さが、エレガントで落ち着いた大人の味わいを醸し出します。
威風堂々とした安心感、しかし大人を飽きさせない音楽的な艶やかさと躍動感をドラマチックに再現し、数々のオーディオ機器を経験してきたベテランエンスーにも音楽を楽しむことが出来るパワーアンプの登場です。
Specifications:
■パワーアンプ クラスA級 パラレルプッシュプル
●出力: 70W/ch ステレオ(4Ω)
●周波数特性: 15Hz-40kHz(THD3%以下)
●IMD: 10mW-50W間1%以下
●出力ダンピングファクター: 18
●S/N: 92dB
●入力感度: 1V
●出力インプットインピーダンス: 4Ω、8Ω
●入力インピーダンス: 47kΩ
●消費電力: 350W
●出力管: ECC83x2、ECC85x2、KT90x8
●入力端子: RCAコアキシャル1系統、XLRバランス1系統
●サイズ: W405×D405×H165(mm)
●重量: 24kg
※生産終了しました